知っている事と出来る事を見極めよう。マナビノトチュウ

今回は、「どの様にしてメディカルチームの中で役割分担をしていますか」という学生からの質問について記事を書きました。

この記事をご覧にいただく事で、メディカルチームにおける「分業制」について理解が出来る様になります。

|自分の守備範囲は?


まずは、この部分について自己分析を行う必要があります。
私は、JSPO-AT(アスレティックトレーナーの資格)と鍼灸。そしてNASM-Pes(トレーニングの資格)を保有しています。更にはAHA-BLS(救急処置の資格)とSafty Assistant(SA:ラグビー競技において必須の資格)も仕事を進めていく上で必須の資格であることから保有(更新)しています。

一見、オールマイティ!と言いたいところですが、実際にはそうでありません。

なぜか?その道にはその道のプロフェッショナルが居るからです。

プロフェッショナルの定義は、ここでは割愛させていただきます。が、単刀直入に言うとその方面において右に出る者がいない。状態まで提供できるサービスを引き上げれているヒトと私は認識してます。

つまり。その物事を知って居る。その物事について指導できる。程度ではプロフェッショナルとはいかないと言うことです。

資格で仕事をするのではない。と言われる所以がここにあると私は感じています。

Q1.あなたが持っている知識(技術)において最も自信のあるものはどの様なものですか。

上記の答えこそが、大まかな守備範囲の境界線を引く際に有用な問いかけになると思います。

ちなみに僕は・・・・。
スポーツ現場での怪我の対応から、怪我をした選手のReconditioningを行うことに並ならぬやりがいを持っています。

|WUGC 2016の実例

World Ultimate Guts Championshipにて世界大会に帯同した際の話です。
メディカルスタッフは3名で構成されていました。

ハムさん:鍼灸師
しょーた:柔整・鍼灸師
私:JSPO-AT・鍼灸師・NASM-Pes

(*実名の公表は控えさせていただきます。)

この様な布陣で臨みました。事前にお互いの素性というかStrong Pointを共有できていたので大会期間中は本当に自身の役割を全うできた気がします。


暗黙の了解というか自然と境界線を引けた理由
この分野だとハムさんの方が。また、この分野だとしょーたの方が長けてるなぁーと感じた分野については、サポートに回ろう!その様に私だけではなく、3人共に言葉には出さずとも意識(認識)していたと思います。

ハムさん:治療のボス
しょーた:ケアのボス
私:コンディショニングのボス

としてそれぞれの分野分けができました。

一方で、

鍼灸治療:ハムさん>私・しょータ
徒手療法:しょーた>ハムさん・私
アップ・ダウン担当:私>しょーた・ハムさん
テーピング担当:私・しょーた>ハムさん

と誰がアシストするかも自ずと決まった事を思えています。

Q2.知識を生かし、今までどんな経験を積んできましたか?

この部分が多岐にわたるほど、サービスを展開していく上で、誰かのアシスタントに回れる可能性が高くなります。勿論、アシスタントではなくリーダーとして振舞うことも可能です。が。この問いでは実際に知識を生かしてできることは何か?を計画にするために質問をしています。
*ポイントは、実際に経験している(経験した)事実があることがポイントです。

|身の丈を知ること

「身の丈を知る」とても耳が痛い言葉です。でも、実際に現状を知ることで何が提供できるかを具体的に把握できます。

また、提供する中でさらにその「質」を高める為にどの様な付随する知識が必要か。そんなことも把握できます。

私の場合
当初、アスレティックトレーナーになりたいと言う思いで、資格試験を受けました。そして有資格者となり、怪我をした選手を対応する中で「除痛」というキーワードにぶち当たります。
その結果、考えた末に社会人学生となり鍼灸師となりました。
「除痛」をする為のノウハウ(資格も含め)を手にし、再び怪我した選手の対応を通じて「より科学的な・・・。より段階的な・・・・」という新たなキーワードが生まれてきました。
その結果、オンラインでNASM-Pesの資格をとりました。

この様に、ある意味、行き当たりばったりですが、それぞれ体験してきた境遇でその必要性を感じ、資格を取得してきました。

実際に、得ることができた「知識」もありますが、その全てが「できること」のレベルまで達しているわけではありません。

例えば、取れる「痛み」と取れない「痛み」があります。

例えば、年間のトレーニング計画を組むことはできますが、普遍的な構成で、競技特性を落とし込んだ内容の計画を組める自信がありません。

一方で、「痛み」を緩和する程度の変化を出せる手法を持っています。
また、体力要素の各パーツ(例えばSAQなど)をより細分化し段階的にメニューをアップデートする技術を持っています。

だけど。それはその資格の守備範囲の一部分しか再現ができておらず、包括的にその資格を活かし、変化を出せている様には思えません。


*興味があることと知っていることは似てるようで全く違います。
**知ってることと出来ることも大きく違います。
***出来ることにも段階があります。


この部分をより明確にし、把握することで、何を提供できるか。また、何について協力を仰ぐべきか。が見えてきます。

|まとめ

駆け出しの頃。なんでも自分がやってやる!そんな気持ちで何事にもチャレンジしていました。その一方で、興味があることはどんどん長けてくる一方で、なかなか変化が見えないことも出てきました。

そんな時、興味がないことを誰かにお願いしよう!と考えました。

その思考が持てた途端、興味があることに費やす時間がより拡充しました。

そして自身の Strong Point形成の大きな足がかりとなりました。

自身が苦手なことは、隣の人が得意としていることかもしれない。

自信がければ、自信のある人に任す。

一見、無責任の様に捉えられがちですが、一流のサービスを受けることができる環境にあるにも関わらず、自身が介入することでサービスの質が二流になったら選手はどう思うでしょうか・・・・。

それが答えだと思います。

WUGC 2016 in LONDON


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つばさ

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